「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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「先生、何年目?」←この言い方やめましょう

アメリカで医師をしていると誰もが感じることだと思いますが、「○年目の医者?」と言う聞き方をまずしませんね。年齢なんてまず聞かれたことはありません。新聞でもテレビのニュースでも人の名前の横に(○○歳)表示はされません。これは差別に当たります。履歴書にも生年月日はいれません。
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日米双方で医師をしてきて「先生は何年目?」と聞くこともあったし聞かれたこともありますが、アメリカに来てからはこの言い方はよくないと感じるとともにあまり意味がないと思います。医師の総合的な能力は経験年数に比例しません。もちろん1年目のインターンと5年目のフェローでは違いはもちろんあるわけですが、本質は何年医師として働いたかではなく、どういった環境で何を診て、何を勉強して、それをどのようにキープし、最新の情報に常にupdateできているかが大事なわけです。このような総合的な最新の医学知識を持ったうえで、医師としての経験が初めて意味をなしてきます。一方で、人は年齢を重ね成熟していくわけですから、「何年目か」は人として、医師としてどの程度成熟しているかの判断する材料としては良いのかもしれませんが、あいさつ代わりに聞くことではないですね。

日本の医療現場は年功序列が強いと思いますが、医学は経験年数の多いものが必ずしも優れているわけではありませんし、少なくともこの序列が優秀な学生や研修中の医師の発言や行動をつぶすような圧力として機能してはダメだと思います。日本ではそういった序列を明らかにしないことから何か始めてみるべきです。こちらで研修をしていると、優秀で素晴らしい学生や研修医はfacultyと対等に議論を交わすことができることから、私も彼らから多くを学ぶことができ、最近経験年数は思っているほど重要ではないとつくづく感じる日々です。
これを読んでいるみなさんはまず、「何年目の医師の○○です」という言い方をやめることから始めましょう。

T.S
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糖尿病性腎症 (DMN) の進行

1型糖尿病性腎症(DMN)は前回書いた通り自然経過としては血糖/血圧にかかわらずmicroalbuminuriaの存在はDMNへのリスクファクターではあるのですが、microalbuminuriaははたして不可逆性なのでしょうか?これを示したのはPerkinsらの2003年のstudyです。これによるとmicroalbuminuriaを呈した1型糖尿病性腎症の患者386人(平均DM罹患年数11年)を2年ごとにフォローし8年間追跡した結果、ACE-Iの使用に関係なく、初期のmicroalbuminuriaおよびA1C、BP、脂質が低いほどmicroalbuminuriaはなくなる傾向にあり、"初期のDM(1)ではmicroalbuminuriaは可逆性を持つ"と結論しています。最近発表されたDCCTのstudyによりますと、1型糖尿病患者が持続性のmicroalbuminuriaを呈しても、血糖、血圧、脂質を改善することによりなんと40%!もの患者はアルブミン尿から正常尿所見にもどったとしています。このstudyとてもよくできててもっと注目されるべきと思いますが、、、、なぜNEJMやLancetにのらなかったかが不明です。
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また興味深いことに病理所見で糖尿病性変化が見られても、膵移植をすると10年かけて徐々にそれが薄れていくことが示されています。
顕性蛋白尿を呈するDMNに至るには10-20年必要であるとさまざまな文献が示しています。Krolewskiらは1939ー1959年の間Joslin clinicを訪れた1型糖尿病性腎症の患者292人を20-40年間!も見た結果顕性蛋白尿の出現はDM発症後5-15年にかけてピークがありそれ以降は減るとしています。また一旦顕性蛋白尿が見られると、ほとんどがESRDへと進行していくことは多くが報告している通りです。
ではどういった要素がDMNの進行に関与しているのでしょうか?Hovindら はアルブミン尿(>200mcg/min)を呈している1型糖尿病性腎症301人を平均7年毎年BP、A1C、脂質、GFR、蛋白尿を計測し重回帰分析を行った結果、カットオフ値は提示されませんでしたがBP、A1C、脂質、蛋白尿各々がGFR低下に関連しているとしています。
腎臓の大きさですが、一般的には糖尿病の腎臓は大きいことは前回述べましたが、ESRDに至るころには一般的には他の腎症よりも大きいものの、おおまかには1/4は小さく、1/4は大きく、1/2は正常の大きさになるようです。また糖尿病によるESRD患者のほとんどは糖尿病性網膜症の罹患があることも数多くの文献が示している通りです。
さていままでほとんどが1型DM腎症ばかりでしたが、2型糖尿病のstudyで有名なのはPima Indianのstudyです。彼らは高率にDMになる部族で、ESRDへの進行も高いです。彼ら194人を正常、IGT、新規糖尿病、糖尿病(平均12年の罹患)にわけその進行を見た結果、数々の1型糖尿病のstudyと同様に2型糖尿病でも、アルブミン尿の存在はその後のDM腎症の進行を予想できたとしています。このfigure1&2は教科書に載っているいわゆる典型的なDM腎症の経過を示していますので参照してください。
そしてRitzはここで1型DMでも2型DMでも極めて似たような臨床経過をたどることを指摘しています。

まとめますと、糖尿病性腎症は1型でも2型でも多かれ少なかれhyperfiltrationを起こし、その後、数年アルブミン尿を呈し、5年から10年程度かけて蛋白尿の出現そしてCKDへ移行し、最終的にはESRDへと進行していくのが一般的です。今の医療では多少なりともその進行を遅くすることができてもcureは難しく、DMの極めて初期(アルブミン尿)に血圧、血糖や脂質の管理を施すと可逆性もあることが指摘されています。
DM腎症の自然経過、アウトカムに関する文献はさまざまですがいくつか重要だと思ったことを中心におさらいしてみました。

T.S

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Extremophiles

最初の生物が出現したのは今から40億年前、およそ地球誕生から5億年後といわれています。我々の最古の先祖はhyperthermophilic mocrobesとよばれる、高温下で生存可能な生物だったと推測されています。Hyperthermophilic microbesを含めて、極端な環境下で生息する生物はextremophilesと呼ばれ、多くの場合それらは古細菌(archaea)です。例えば古細菌で最初に遺伝子解析されたMethanococcus janneschiは200 atmという高圧、85度という高温下で活動します。他の古細菌の中には113度の高温で繁殖するものや、高濃度塩(5 M)、強い酸(pH 0)で活動可能なものもいます。Deinoccocus radioduransに至っては、高濃度放射性物質と乾燥に強いので核廃棄物の中で生存可能です。 Metagenomics projectsが色々進行しているので、今後さらに我々の想像を超える生物が見つかるかもしれません。Metagenomics とは一般に海水をランダムにサンプリングして遺伝子解析したり、腸内細菌を全てシークエンスにかけるようなアプローチです。
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我々にもう少し近い動物に目をむけると、extremophilesほど極端でないにしても、我々からみるとextremeだと思える例は多くあります。腎臓に関連したものをここにいくつかあげてみます。
1. 鳥は常に高血糖ですが糖尿病性腎症を含め高血糖による合併症をきたしません。
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2. 熊は半年近く冬眠し、その間排尿しません。GFRは低下し、creatinineは1 mg/dlから3 mg/dl台になりますが、冬眠から明けると腎機能はもとに戻ります。また、筋萎縮や骨粗鬆症にもなりません。
3. 亀は長時間呼吸せずに泳げます。泥の底で冬眠する亀も少なくありません。冬眠中亀は嫌気的にATPを維持しますが、代償として高乳酸血症になります(150 mM)。しかしながらpHは生理的範囲内に維持されます。理由のひとつとして、亀は自分の甲羅を溶かして重炭酸濃度をあげることが知られています。
4. 最後にpHの維持に関連して人と魚。ヒマラヤに住む民族、Himalayan SherpasのPaCO2 は20 mmHg、HCO3- は14 mmol/L、そしてpHは生理的範囲内です。これは高山での”adaptation”です。魚は水中の酸素をえらからとりいれる際に大量の水を通過させないといけないため、CO2はwashoutされて2 – 4 mmHg程度です。HCO3- は3 - 6 mmol/LでpHは 7.5程度と生理的範囲内です。Garfish (“Lungfish”)はえらと肺の両方を持っています。冬季はえら呼吸のみなのでPaCO2 3 mmHg, HCO3- 6 mmol/L前後ですが、水中の酸素濃度が下がる夏季には未熟な肺を使います。結果、PaCO2 13 mmHg, HCO3- 10 mmol/Lとなり、pHは変化しません。
鳥も熊も亀もあまり産業とかかわっていないので生理学的研究が進んでいませんが、次回以降もう少し詳細に触れたいと思います。

波戸 岳
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CKDの透析予想計算機

みなさんの外来にもいらっしゃいますよね?Cr2.5程度で何年も安定しているCKD患者さん。一方でCrが1.8程度でまだ大丈夫かなと思っている人があれよあれよという間に進行して透析導入になるケース。CKD患者さんの透析導入予想ができたらよいと思いませんか?
そんな我々腎臓内科医の願いをかなえてくれる?かもしれない朗報があります。
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先日JAMAに発表されたこのstudyはCKD3-5の患者さんが将来腎不全に至る可能性を数値化しています。カナダと英国の大きなcohortを元に、さまざまなデータを分析し、腎不全をアウトカムとした場合に、どう入った要素が重要かを7つのmodelに分けて、実際のアウトカムと予想されるアウトカムを比べたようです。その結果、最も正確にCKD患者の腎不全を予想する要素は低GFR、低年齢、男性、アルブミン尿、低血清アルブミン値、高リン、低HCO3、低カルシウムでありこの要素を用いたmodelのc-statisticsは0.92と極めて高い数値になっています。驚いたのは、糖尿病や高血圧の有無、血圧の値や体重は予測に影響しないということです! そんなわけないと思うわけですが、理由としてCKDのほとんどはDMとHTNの罹患があることと低GFRやアルブミン尿がある状態ではすでに上記の要素による違いが影響を来しにくいという理由です。(決して血圧や血糖コントロールをしなくてもよいということではないです)
このstudyを元に作成された2年及び5年後に腎不全予測計算式はここ(Excel、スマートフォンapp )にあります。こういった予想式により、腎臓内科医に見てもらうべきハイリスクの患者さんの同定ができることや透析準備に入る大まかな予想ができたり、特にpreemptiveの腎移植希望の患者さんはメリットがあるかもしれないです。何よりも普段測定するデータで予測できるところがいいです。一方で5年後の腎不全のリスクが30%だったとしてもじゃあどうすればよいかという問題がありますが、やはりmodifiable factorの改善は絶対に行うべきであることはわかります 。(アシドーシス、CKDーMBD治療、RAAS阻害による蛋白尿の減少etc.)この論文はぜひ一度読んでみてください。
T.S
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糖尿病性腎症 (DMN) の自然経過

最近外来で診る腎臓病の多くは糖尿病です。指導医に"CKD secondary to DM"というと、なぜDMによるかを説明させられます。DMNはDM患者の30-50%さんにみられ、DMNに至るまでには少なくとも15年は必要と教わりますからDMの罹患歴は重要です。DMNへ至るには、初期のhyperfiltrationを経て、microalbuminuria からproteinuriaそしてGFR低下と経過していくのが一般的です。腎臓のサイズはhyperfiltrationからか比較的大きく、尿所見では血尿の頻度は比較的少なく、糖尿病性網膜症の存在はDMNの診断に重みを持たせるといわれます。このようなことがどのようにして分かったかは知っておくとよいですので、数ある文献からいくつか選んで見ていきます。1) DMNの自然経過 2)DMNの進行/アウトカムの2回に分けます。
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私がいるMUSCの腎臓内科のある指導医いわく、"DMは昔、NYとJoslin(ボストン)しかまともにやっていなくてNYでは血糖が腎症に影響するとは思っていなかったけど、Joslinではきっちり管理していて彼らが結局正しかったんだよ"なんて言っていましたが、そんな時代から現在は血糖管理に加え、RAAS blockadeを含めた血圧管理、インスリン抵抗性の治療などが加わり、大規模なclinical trial によりDMNのアウトカムが明らかになってきていますが、依然としてDMNはESRDへと移行します。無治療のDMNは年間GFRが10ml/min低下し、降圧療法により5ml/min/年に改善、RAAS blockadeで4ml/min/年改善することはここで書いています。

DMNの初期(70ー80年代)のstudyはほとんどが1型糖尿病についてばかりでした。その大きな理由はDM (II) はonset の確定が難しいことと、1型は若く、HTNを呈していないことが多くstudyがしやすいということがあると思います。腎臓のサイズについてですがChristiansenのstudyによると初期のDM(I)発症後2年程度ですでに腎臓のサイズとGFRの上昇が見られるとしています。したがって”1型糖尿病の初期(microalbuminuria出現前)ではすでに大きな腎臓とhyperfiltrationがある”ことが分かります。またmicroalbuminuriaがDMNの発症を予測できるかということに関してはMogensenが1984年にNEJMに報告しています。DM(I)患者43人(平均DM罹患12年)をmicroalbuminuria (-) 、microalbuminuria (+)にわけ10年観察した結果、血圧を保ってもDMNに至ったのはmicroalbuminuria (+)のグループであるとし”microalbuminuriaはDMNのriskである”と結論しています。Rudbergらは若年のDM(I)でmicroalbuminuria (-) とmicroalbuminuria (+)を呈した計64人を8年間追跡し、DMNに至ったグループとそうでないグループとでみたとき”hyperfiltrationの存在はDMNを予測できる”と報告しています。また血糖コントロール不良((A1C>8)がmicroalbuminuriaの出現に関与していることはこのstudyが示したとおりです。

したがって1型糖尿病腎症の自然経過としては初期からhyperfiltrationがおこり、血糖管理の不良はアルブミン尿の出現を招き” hyperfiltration /microalbuminuria”の存在はDMNへいたる一つのサインであるといえます。

次回は糖尿病性腎症 (DMN) の進行/アウトカムについてふれます。

T.S

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Medulla II: Conflicting demands

Medulla is like Hellと言い切る人もいますが、実際にそうなのかもしれません。浸透圧が非常に高く、低酸素な環境は細胞にとって決して好ましいものではありません。まず、腎臓髄質の低酸素下ですが、皮質でのoxygen tensionは70 mmHgほどありますが、outer medullaからinner medullaに入る時点で30 mmHgまで低下しています。Inner medullaの先端では10 mmHg以下しかないといわれています。
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低酸素に加え、腎臓髄質は高浸透圧です。腎髄質での浸透圧は大雑把に言えば半分は尿素、残り半分はNaなどの電解質から構成されています。話がそれますが、臨床の場でBUNが高くても、BUN自体は無害だから(透析しなくて)大丈夫、という主張を耳にします。確かにBUNが70 mg/dlなどというレベルではそうかもしれませんが、極端に高濃度の尿素は決して無害ではありません。尿素はdenaturantの代表です。実際、蛋白のunfoldingを促すために実験の現場で長年使用されています。高濃度のNaも同様です。例えばaffinity chromatographyで抗原抗体のbindingをほぐす時など、色々な場面で蛋白をdestabilizeする性質が利用されています。我々の細胞が正常に機能するために、正常な蛋白の働き、正常な蛋白のfolding、は非常に重要です。事実、腎臓髄質ではheat shock proteins (HSP)など、正常にfoldingしていない蛋白をレスキューするchemical chaperonesが、皮質と比べて何十倍も多く(正常腎で)発現しています。 たとえばHSP70だけで腎髄質の総蛋白量の0.5%を占めます。高浸透圧な環境で細胞が機能し続けるために必要なのだと思います。

髄質での低酸素と高浸透圧には密接な関わりがあることが知られています。前回述べたように、thick ascending limb (TAL)でのNaCl再吸収は、髄質での浸透圧を生み出すために、非常に重要です。事実、TALでのNa+K+ATPaseの働きはNaCl再吸収/浸透圧維持のために非常に活発で、大量の酸素を消費しています。しかしながら、TALでの酸素消費のために、これより深部にいくdescending vasa recta (DVR)は低酸素になります。Outer medulla以深が低酸素になる理由は他にもいくつかあります。
1)DVRとascending vasa recta間でのcountercurrent systemが、深部への酸素供給効率を悪くしてます。一方でこのcountercurrent systemは腎髄質の浸透圧物質の洗い流しを防ぐために重要です。
2)血管の減少。DVRの4/5はouter medullaでU-turnして皮質に戻っていきます。わずか1/5のDVRがouter medullaより深部の髄質に入っていきます。
3)遅い血流速度。DVRの血流速度は遅く、酸素供給に最適とはいえません。DVRの周りにはpericytesが存在しており、髄質深部へ行く血流速度が調整されています。髄質での早すぎる血流速度は浸透圧物質を洗い流してしまいます。遅い血流と、そしてごく限られたDVRが髄質深部に入っていく構造は、浸透圧維持にはプラスに働くようです。過度の血流不足で組織が虚血に至らないようnitric oxidide等の物質を介して微妙なバランス(酸素供給vs 浸透圧維持)が保たれているのでしょうが、腎髄質に虚血に対する予備能があまりないのは想像に難くありません。
4)また、TALとDVRは解剖的に離れており(少なくともラットでは)、腎虚血時にTALがダメージを受けやすいことに加担している可能性があります。一方で、TALとDVRが位置的に離れているのは髄質の浸透圧を維持するのに都合が良いようです(computer simulation)。

最後に、昨年のMDIBLの追記ですが、MDIBLのコースではNa+K+ATPaseによる腎臓組織の酸素消費の変化を、Na+K+ATPase inhibitorなどを用いて測定しました。Platinumの電気抵抗が酸素濃度によって変わることを利用して酸素消費を測定しました。腎臓で、酸素の80%はNa+K+ATPaseのために使われていると言われています。

波戸 岳

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大前研一 地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後

大前研一氏が地震や原発の被害を分析し、中長期的な予測をたて
今後どのように対応するべきかをしっかりと説明しています。
1時間ほどですが聞く価値があると思います。

T.S

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東日本大震災

2011年3月11日に起きました東日本大震災で亡くなられた多くの方にご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方々には心からお見舞い申し上げます。地震、津波に加え福島原発の放射能汚染と数多くの問題をかかえる中、日本の皆さんが一致団結して助け合い復興に頑張っている姿には、ただただ感動と称賛の声がこちらアメリカでも聞こえてきます。寝る暇もなく救助活動にまい進されている方々には本当に感謝の気持ちと尊敬の念を抱くばかりです。今回の地震は、海外にいる私にも地震の様子を伝えるニュースに始まり、各団体のメーリングリストや掲示板からタイムリーに様々な情報交換が行われるのを目の当たりにすることができ、本当にネットワークの凄さを感じています。一方、被害が大きかった地区ではネットや電話などが使用できないことから孤立し、こういった貴重な情報交換の場に参加できないなどの問題もあることと思います。医療活動が水や電気や石油などのエネルギー不足により支障をきたしたことから、避難所や病院で衰弱および亡くなられるケースも多々あることを聞くと地震の大きさを改めて感じますし、2次的な被害をいかに最小限にとどめられるかという問題は大きいと感じます。腎臓に関しては透析患者さんを様々な施設に搬送するやりとりをメーリングや掲示板で活発に情報交換が行われるのをみて病院のみならず、行政とのやりとりを何よりも早く行うことが大事であることは多くの情報から学ぶことができます。海外にいると直接この状況に参加できていない歯がゆさを感じておりますが、今回の東北の地震で多大な被害に遭われた方々の一早い復興と原発の被害がどうか最小限にとどまることを心からお祈り申し上げます。
T.S
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Medulla I: Urine concentrating mechanism

尿濃縮は、水へのアクセスが限られた陸上での生活を可能にする、非常に重要な腎臓生理のひとつです。我々霊長類の尿濃縮能は1,000 – 2,000 mOsm/kgH2Oですが、マウスやハムスターは4000 mOsm/kgまで尿を濃縮します。砂漠に生息する哺乳類などは10,000 mOsm/kg近くまで濃縮可能なものもいます。小さな哺乳類の、数センチにも満たない腎臓髄質でこれを成し遂げるのは驚異的なことです。
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尿濃縮にあたって、thick ascending limb (TAL)での能動的なNaClの再吸収をdriving forceとする、 countercurrent multiplicationが重要なのは言うまでもありません。Outer medullaにおける尿濃縮はこのcountercurrent systemに全面的に依存していることは、1950年代にこのシステムが提唱されて以来、micropunctureやcomputer simulationなどで多角的に証明されています。臨床ではfurosemideで容易にTALでのNaCl再吸収の重要性を理解できます(高Na血症)。

しかしながら、このcountercurrent systemのみではそれより深部(inner medulla)での尿濃縮の説明をつけることができません; Inner medullaではpapilla方向に進むにつれ尿素の濃度が急速に上昇しますが、NaClの濃度もouter medullaから引き続き上昇を続けます。
まず一点は、尿素の急速な濃度上昇がUrea transporterを介して受動的におこりますが、その背景となるdriving forceが何なのかいまひとつはっきりしません。二点目は、能動的なNaClの再吸収はTALのみなのに、どうしてinner medullaでNaClの受動的な再吸収が持続するのか不明です。以前はNaClの受動的な再吸収が尿素濃度に依存しているという説 ”passive hypothesis”が有力でしたが、現在は疑問をとなえるグループが少なくありません。事実、2000年代前半に、いくつかのUrea transporter knockoutsが検証されましたが、それらは腎臓髄質の尿素濃度低下を示したものの、髄質のNaCl濃度に影響を及ぼしませんでした。ここここのレビューを参照。
数ヶ月前に、尿濃縮のメカニズム解明をライフワークにしているグループのトークを聴く機会がありましたが、実際のところまだまだ尿濃縮の解明は遠そうです。彼らは腎臓髄質の秩序だった構造が尿濃縮に関与していると仮説をたてて、髄質の3D構築computer simulationを中心に研究をしています。他のグループもいくつか異なる仮説を発表していますが、いずれも仮説にとどまっています。

波戸 岳
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Countercurrent multiplication

腎臓は1日あたり180Lもの濾過機能を有しますが、その1%前後しか尿として排出しません。その理由は水と電解質のほとんどは主に近位尿細管とヘンレのループで再吸収されるためです。体液バランスの変化に対応するため、人は尿を血漿浸透圧の1/5程度まで希釈したり、最大1200osmol/kg前後まで濃縮することが可能です。尿は浸透圧の高い尿細管間質と平衡状態に達することにより濃縮されますが、間質は一体どうやって高い浸透圧に達するのでしょう? これにはヘンレの太い上行脚 (thick ascending limb: TAL) における countercurrent multiplication というネフロンのユニークな機能が関与しています。
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TALは水に透過性がありませんので糸球体で濾過された尿が285mmOsmであると仮定すると、この図 から分かるようにTALではNaClのみが再吸収され、その結果、尿細管腔は低浸透圧になり、間質は高浸透圧になります。その後、下行脚の尿は浸透圧の高い間質と平衡状態に達します。この過程が繰り返し行われ最終的には髄質では高い浸透圧を作ることができます。したがって遠位尿細管に尿が達するころには尿は極めて希釈された状態であることがわかります。もし水をたくさん飲むと、水は腸管から吸収され、血漿浸透圧は低くなりますので、下垂体からvasopressin (ADH) の分泌が抑制され、集合管における水の再吸収が抑制され、上記の希釈尿はそのまま尿として出ていきます。一方、塩分負荷は血漿浸透圧を上昇させ集合管でのADHの作用から、アクアポリン (AQP2) が尿細管腔側に誘導され水を多く吸収することにより尿は濃縮されます(実際は口渇中枢が刺激され水を飲むためvolumeが負荷された状態になります)。また、ureaは集合管髄質遠位部で濃度勾配によって受動的に間質内にurea transporter(UTA1)により取り込まれますが、これはまた別の機会に話します。
このように最終的な尿の濃縮調整は集合管におけるADHに依存していますが糸球体で濾過された水と塩のほとんどは近位尿細管やレンレのループで再吸収されています。それを可能にする countercurrent multiplication はとてもユニークなネフロンの機能です。

T.S
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