
我々にもう少し近い動物に目をむけると、extremophilesほど極端でないにしても、我々からみるとextremeだと思える例は多くあります。腎臓に関連したものをここにいくつかあげてみます。
1. 鳥は常に高血糖ですが糖尿病性腎症を含め高血糖による合併症をきたしません。

2. 熊は半年近く冬眠し、その間排尿しません。GFRは低下し、creatinineは1 mg/dlから3 mg/dl台になりますが、冬眠から明けると腎機能はもとに戻ります。また、筋萎縮や骨粗鬆症にもなりません。
3. 亀は長時間呼吸せずに泳げます。泥の底で冬眠する亀も少なくありません。冬眠中亀は嫌気的にATPを維持しますが、代償として高乳酸血症になります(150 mM)。しかしながらpHは生理的範囲内に維持されます。理由のひとつとして、亀は自分の甲羅を溶かして重炭酸濃度をあげることが知られています。
4. 最後にpHの維持に関連して人と魚。ヒマラヤに住む民族、Himalayan SherpasのPaCO2 は20 mmHg、HCO3- は14 mmol/L、そしてpHは生理的範囲内です。これは高山での”adaptation”です。魚は水中の酸素をえらからとりいれる際に大量の水を通過させないといけないため、CO2はwashoutされて2 – 4 mmHg程度です。HCO3- は3 - 6 mmol/LでpHは 7.5程度と生理的範囲内です。Garfish (“Lungfish”)はえらと肺の両方を持っています。冬季はえら呼吸のみなのでPaCO2 3 mmHg, HCO3- 6 mmol/L前後ですが、水中の酸素濃度が下がる夏季には未熟な肺を使います。結果、PaCO2 13 mmHg, HCO3- 10 mmol/Lとなり、pHは変化しません。
鳥も熊も亀もあまり産業とかかわっていないので生理学的研究が進んでいませんが、次回以降もう少し詳細に触れたいと思います。
波戸 岳