「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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CKDの透析予想計算機

みなさんの外来にもいらっしゃいますよね?Cr2.5程度で何年も安定しているCKD患者さん。一方でCrが1.8程度でまだ大丈夫かなと思っている人があれよあれよという間に進行して透析導入になるケース。CKD患者さんの透析導入予想ができたらよいと思いませんか?
そんな我々腎臓内科医の願いをかなえてくれる?かもしれない朗報があります。
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先日JAMAに発表されたこのstudyはCKD3-5の患者さんが将来腎不全に至る可能性を数値化しています。カナダと英国の大きなcohortを元に、さまざまなデータを分析し、腎不全をアウトカムとした場合に、どう入った要素が重要かを7つのmodelに分けて、実際のアウトカムと予想されるアウトカムを比べたようです。その結果、最も正確にCKD患者の腎不全を予想する要素は低GFR、低年齢、男性、アルブミン尿、低血清アルブミン値、高リン、低HCO3、低カルシウムでありこの要素を用いたmodelのc-statisticsは0.92と極めて高い数値になっています。驚いたのは、糖尿病や高血圧の有無、血圧の値や体重は予測に影響しないということです! そんなわけないと思うわけですが、理由としてCKDのほとんどはDMとHTNの罹患があることと低GFRやアルブミン尿がある状態ではすでに上記の要素による違いが影響を来しにくいという理由です。(決して血圧や血糖コントロールをしなくてもよいということではないです)
このstudyを元に作成された2年及び5年後に腎不全予測計算式はここ(Excel、スマートフォンapp )にあります。こういった予想式により、腎臓内科医に見てもらうべきハイリスクの患者さんの同定ができることや透析準備に入る大まかな予想ができたり、特にpreemptiveの腎移植希望の患者さんはメリットがあるかもしれないです。何よりも普段測定するデータで予測できるところがいいです。一方で5年後の腎不全のリスクが30%だったとしてもじゃあどうすればよいかという問題がありますが、やはりmodifiable factorの改善は絶対に行うべきであることはわかります 。(アシドーシス、CKDーMBD治療、RAAS阻害による蛋白尿の減少etc.)この論文はぜひ一度読んでみてください。
T.S
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