「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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小児の肥満増加と高血圧

以前アメリカ人の肥満の多さについて触れましたが、こんなニュースがあったので紹介します。
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もともと、ウェストバージニア州の人は一般のアメリカ人口より心疾患による死亡率が20%も高いといわれていますが、その実態を調査したCARDIAC (Coronary Artery Risk Detection in Appalachian Communities) というスタディーから分かったショッキングなことは、この地域の小学校5年生の2割は高血圧だということです。このうち肥満児の高血圧罹患率は33%とさらに高く、小児の肥満増加とそれに対して小児の生活習慣病要素 (血圧、血糖、脂質) のスクリーニングや食生活の改善の必要性を強調しています。
日本で小学校5年生の子供が糖尿病を発症したら誰もが1型糖尿病を想像するでしょうが、アメリカの実態は1型だけではなく2型糖尿病がかなりの割合で増加傾向にあります。彼らのほとんどに家族歴もありますが、すでに体のサイズが大人と同じかそれ以上であることが多く、生後から幼児期にかけての食事の重要性を感じます。
健康な食事に興味を示す人もいれば全く興味ない人とさまざまですが、食育の重要性をこの国でどう広めて行けるかというところなのでしょうが難題は山積みです。CDCは塩分に関して、塩分摂取量を9g程度 (ナトリウム換算2.3g)を推奨していて、40歳以上、高血圧歴、黒人のいずれかである場合(アメリカ人の2/3はこれに当てはまる)は6g (ナトリウム換算1.5g)に抑えるべきとしています。
この塩分制限を行動に移した都市がいくつかあり 、CDCはその都市に対しawardを出したようです。
実際にどのようなことをするとかまだその結果は出ていませんが、受賞条件はCDCにはこのように書かれています。Activities could include working with restaurants and food service suppliers, grocery stores, schools, hospitals and government facilities to develop low sodium food policies, and media campaigns to help raise awareness of the dangers of too much sodium in the diet.

はたしてうまく行くでしょうか? Processed food (冷凍食品、缶詰、その他ファストフード) への塩分制限が最も有効なのでしょうが、やはり食事量の多さが問題です。 基本的には食べる量を減らすと塩分のみならずカロリーの接種も抑えられるので、レストランのお皿にのる食事量を減らせば(お代も減らす)よさそうですが、アメリカでこの概念を受け入れてもらうには時間がかかりそうです。なにしろ、アメリカのレストランガイド誌のZAGATの高評価をもらうには質だけではなく、量がアメリカ人のおなかを満たさないとダメといわれていますので。。。

T.S
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