「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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なぜ腎臓内科は人気がないか


米国の医学部はMedical schoolといって、4年制の大学を出たのちに
医学部入学試験を受けて、4年の医学コースに入ることになりますので
日本の医学部と比較して2年多く卒業までにかかることになります。
中には、いったん仕事を何年かしてから医学部に入る人もいるため
年齢も様々です。
また、学費は日本の私立医大並みにどこも大変に高額です。
よってほとんどは学費のローンを組んで、医師になり収入があるようになったら
徐々に返済していくといったことをしている人がほとんどです。
(親のすねをかじる人もいるのでしょうが、みな結局は自分で返済します)

よって、、、多くの医学部生と話をすると
とにかく、早く研修を終え、医師になって(Attendingとして)からもQOLがよく
かつ収入の良い仕事に就きたいと思っている人たちが大半です。

米国では驚くほど科によってQOLと収入の差があり
この傾向に拍車をかけているのも事実です。

Academicに働こうとすると、QOLはともかく、給与面ではやはり
どの科でもPrivate practiceに行く人たちと比較して
かなりの差がありますので、借金を抱え、長い研修生活から
早く脱出したいという思いを抱いている
学生にとっては、研修期間の長いacademic・researchコースに入ろうとする人たちは
少なくなってきているようです。

こちらでは人気の少ない、家庭医学、primary care、小児科、産婦人科など
のレジデンシープログラムではForeign Graduate(FMG)は比較的多くいますし、逆に、皮膚科、眼科、外科系ではまれです。

その比較的人気の落ちている内科のさらに腎臓内科のアカデミックコース
となると、実際どの施設でもAmerican Graduate (AMG)ではなくFMG
が多く占めているようです。
そういったこともあり国は、AMGでアカデミックに残る道を志す者に
いろいろな優遇でもないですが、道を作っているという印象を受けます。
ただし、問題はNIHのグラントは原則、米国市民かpermanent resident
のみを対象としたものがほとんですので、FMGでもVISAの心配のないものを対象としています。
ですから、このNIHのResearch/clinicalトラックは結果的に
少数派を対象とした制度であることが言えます。

NephrologyからAMGが少なくなっていることは昨年の米国腎臓学会でも
話題になっていました。
これは腎臓内科だけではなく、循環器と消化器を除く
すべての内科subspecialityで共通の問題のようです。
その理由は「給料の差」がかなり大きな要素であることは言えます。
アメリカは何でもお金で価値観を図るので仕方ないのでしょうが、なんとも残念な話です。
T.S
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