コンサルト制度

米国の内科診療の特徴はどの科も
コンサルト制度があることだと思います。
日本でもコンサルトはしますが
どちらかというと、通常の診療を行いつつ
他の科の症例もみるといった感じではないかと思います。

こちらは、コンサルトサービスが独立していて
通常どこの大学でも1カ月単位の持ち回り性で
コンサルトを受けた患者の回診とカルテ書きを毎日します。
これは腎臓内科フェローシップの主要なローテーションでもあり
多くのことを学べるよい機会です。
またcontinuity of careといったことでもよいことだと思います。

私が現在働いているサウスキャロライナの病院では
施設内に大きな病院が3つあるため、指導医とフェローそれぞれが一人づつ
各病院のコンサルトを受け持ちます。
最も忙しいuniversity hospitalでは大体コンサルトの患者リストは
20ー30人ほどで、毎日新たなコンサルトが4-6件ほどあります
のでけっこういそがしいです 。

担当疾患は急性腎不全から慢性腎不全
透析、持続透析まですべてみます。
施設によっては慢性維持透析の患者を別に見るチームを作るところもあります。

フェローは指導医と朝回診する前に、自分でpreroundを済ませます。
患者のデータと診察を済ませ、カルテまで書き終えます。
ですので、患者が多いと朝早くから病院にきます。
その後、9:30か10:00位から、指導医とこれら患者の回診をし
recommendationなどをattendingノートとしてフェローのノートに付け加え、
治療方針を担当の医師と話をして行きます。
これは毎日行われ、週末も当直の指導医とフェローですべての患者を見ますので
かなり忙しいことが予想できるかと思います。(ノート書きは明らかにbillingのためです:指導医のお給料)

on offのはっきりした米国流の医療のよさもあるのですが
週末にonとなった時のwork loadは想像以上で
事故も起こりやすいですし、やや問題ではあるのも事実です。

コンサルト制度のよさは、主治医であるがために
やらなければならない雑用が少なく
病態と治療に専念できることです。
これだけの患者を担当すると病態の幅も広くカバーできますし
またラウンドの際は指導医が通常いろいろ教えてくれますので
教育的でもあります。

腎臓内科は内科でもsubspecialityに分類され、フェローは大体
それまでに内科のresidencyを終了していますので
primaryケアで学ぶことは一通り済ましています。ですから
専門研修では専門一本という考えは私はそれでいいかなと思います。

腎臓内科は透析、特にicuなどで行う持続透析を行いますが
これは経験したことのある人ならわかるでしょうがマンパワーが必要です。

次回は米国におけるナースやcomedicalの守備範囲の広さの話をしたいと思います。

T.S
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