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血漿交換ガイドライン2010 (その1)

米国アフェレーシス学会のApheresis(血漿交換)に関するガイドラインが新しくなりました。
Category1(血漿交換単独もしくは補助的治療として推奨される)に位置付けられた疾患が多く驚きました。
FFP.JPG
そもそも血漿交換とはいつどのように行うべきものなのでしょうか?
以下3つを理解していないといけません。
1) 血管内の液性因子が病態に関与していること
2) その液性因子が血漿交換により除去されること
3) 臨床的に改善することが医学的に証明されていること

またApheresisといってもさまざまな交換があります。
血漿交換、各血球除去(白血球、赤血球、血小板)、脂質、photopheresis、免疫吸着など。
そこで主な血球の比重は知っておく必要があります。
例えば、急性白血病の治療に白血球除去を行うことがありますが、この場合
白血球でもblastが多くを占めていないだめであることがこの表から分かります。(通常blast>50%)
その理由はblast以外の白血球を除去しても医学的に効果が不十分であるほか、
血液を分離する際、通常の白血球(band and segmented neutrophils)は赤血球と極めて
比重が近いため、白血球の分離は困難であるからです。

また
1)How much to take out?
2)What to take out?
3)With what to replace it?
という質問はしばしばフェローは受けます。

1)ですが、血漿は1.5L以上交換しても
グロブリンの除去率はあまり上がらないことがこの表から分かります。したがって通常は毎回1-1.5L程度の血漿交換を目安とします。

2)はどの液性因子が血管内にどの程度存在して、間質からどのくらいのスピードで
血管内にrefillしてくるかなどおおよそ知っておくことは大事です。
この表から分かることはIgMは最も血管内に多く存在していて、ほかのグロブリンに比べ早く除去できることが分かります。また、血漿交換後にグロブリンは血管内にrefillしその血中濃度はすぐに増加しますから、このグラフが示すように通常どの疾患でも効果を最大限に引き出すには、毎日、血漿交換を行う必要があることが分かります。

3)どのような方法を用いるかにもよりますが通常、5%アルブミンかFFP(Fresh frozen plasma)で
交換します。いずれもクエン酸を含んでいて、クエン酸はカルシウムと結合しますので
カルシウムを補う必要があります。
原則FFPには300ml中63mlのクエン酸が含まれています。
1mlのクエン酸に対し1mgのカルシウムを補いますので
10% Calcium Gluconateでカルシウムを補う場合 10ml中に94mgのカルシウムが含まれますので
それに見合う量の補充が必要です。

次回は今回新たにカテゴリーに追加もしくはランク上げされた疾患を取り上げてみます。

T.S
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