「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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National Young Investigator Forum@NKF

フロリダのオーランドで開催されたNKF /Amgen主催、5th Annual National Young Investigator Forumに参加してきました。これは主に腎臓内科フェローが行っているリサーチに関する全国レベルのcompetitionでアメリカ各地区予選から選出された人たちが、Basic science、Clinical scienceの2部門に分かれその成果発表するものです。総勢29人が一日で発表をしますので、質疑応答を含めて15分/人でしたが、かなり疲れました。

私はbasic部門で発表の機会をいただきましたが、みな素晴らしい発表ばかりで、とても良い刺激になりました。中には数人postdoctoral PhDがいましたが、大体はフェローレベルのMDたちで、本当に同じフェローかな?と思わせるhigh levelのpresentationもありました。
前回も書きましたが、presentation能力に関しては、アメリカ人は特にですが、まねのできない素晴らしいものが多々ありました。少しでも彼らの楽しいプレゼンのessenceを習得したいものです。研究の評価の基準は、1)臨床的に意義ある研究か?2)結果のquality 3)文献を引用しているか、4)Presentationの仕方、5)質疑応答の仕方で評価されますが、実は5)を特に重視するようです。みなこれは苦手ですよね。
一つよいことを学んだのが、質問を受けた際は、その質問の内容を繰り返して、間を少しおいて、答える手法。これによって、観客も質問を再度聞くことができ、自分も考える時間を作れます。これはJudgeである方から、会終了後のreceptionで教わりました。

この様なforumは腎臓内科に限らないと思いますが、年々アメリカでは人気が薄れている「研究のできる医師」の育成を目的としています。基礎・臨床研究の面白さを同じ土俵で頑張っている人たちの発表を聞く機会を設けることは、良い研究発表を聞くことによる刺激と同じフェローたちや一流の臨床-研究医であるJudgeの先生方との交流を深めることもでき、とてもよい機会だと思いました。NKFはこういったフェローにグラントも用意していますので、NIHのほかにNKFのグラントを取っているフェローが結構いたのも印象的でした。
これだけハイレベルのプレゼンを一つの会で聞いたことはないとJudgeのひとりが言っていましたが同感です。また来年も参加したいです。

T.S
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