BKウイルス感染症

BKVも移植後に発症するコモンな感染症の一つです。BKVはヒトの85%が小児期に無症候性、或いは上気道経由で感染しており、移植後の免疫抑制により再活性化します。BKVは尿細管および尿管内に多く発現しているガングリオシドに結合し細胞内に侵入します。このガングリオシドは他臓器の細胞にはないため、他臓器に影響を及ぼすことはありません。また、BKVはサイトカインも殆ど放出しないため、無症候性です。

最初は尿で検出され(BK viruria)、10-20%の患者はウイルス血症(BK viremia)を呈します。一般に、血中のウイルス量が10000 IU/mLを超えるとBKウイルス腎症(BKVN)のリスクが高まると言われていますが、実際にはウイルス量がこれより遥かに高値でも腎機能が正常に保たれるケースも多いです。その理由の一つとして、NCCR(non-controlling coding region)の活性度の違いが挙げられています。NCCRはウイルスDNAの一部分で、その活性度によって病原性の強さが左右されるため、ヒトによってBKVNの発症のし易さが異なるというものです。NCCR活性が低ければ、例えウイルス量が高値でも腎機能は保たれますし、逆もまた然りです。

BKVが増殖を続けると、尿管狭窄やBKVNを起こしますが、BKVNの方がよりコモンです。原則BKVの治療薬はなく、免疫抑制剤(主にMMF)を減量することでウイルス量をコントロールします。腎機能が悪化した場合は生検を行い、BKVNの診断を行います。100%有効な治療薬はありませんが、IVIGが50%以上の患者では有効な印象を持ちます。無効な場合はレフルノミド等を投与しますが、あまり効きません。慢性BK viremiaになってもウイルス量が十分抑えられていれば腎機能低下の心配をすることはありません。BKVの殆どは移植後2年以内に発症し、経時的に発症リスクは減少するので、2年目以降はルーチンにチェックする必要はなくなります。知らない間にウイルスが消失したりすることもよくあり、その場合はMMF再開が可能になります。

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