CNI minimization

タクロリムスやシクロスポリンなどのCNIほど、移植医を悩ませる免疫抑制剤はないでしょう。CNIは拒絶予防や治療に欠かせない免疫抑制剤でありながら、副作用もきわめて多い薬剤でもあります。代表的なものに神経障害(振戦、末梢神経障害、PRESS)や糖尿病悪化がありますが、やはり何といっても腎傷害(arteriolar hyalinosis, fibrosis)が一番の問題だと思います。特に、腎傷害は死体腎移植においてmarginal quality kidneyを移植された場合に顕著になります。トラフレベルを最小量にしても腎機能が回復しないことはよくあります。

その場合、CNIを他の薬剤に切り替える必要があります(CNI minimization)。米国での主流はベラタセプトです。約10年ほど前に開発された静注製剤で、幾つかの研究でシクロスポリン群と比べGFRと長期予後の優位性が示されたことから、爆発的に普及しました。特に、どんな質の腎臓でも移植するアグレッシブな施設では、移植直後からCNIではなくベラタセプトによる免疫導入を行っているほどです。

当センターでは、移植後GFRが50未満、または重篤な副作用によりCNIが使用できない場合にベラタセプトへの切り替えを検討します。移行期(最初の3カ月)はTCMRおよび感染症(特にCMV)のリスクが高まることが知られています。そのため、同剤への切り替えは移植後6カ月まで待つようにしています。また、CMVハイリスク患者は移植後1年以上経ってから行います。投与開始後は3-4カ月かけてCNIを漸減していきます。肌感覚では、約半数の症例でGFRの改善が見られます。患者さんには、たとえ腎機能の改善が見られなくても、CNIを完全に中止することで腎臓は長く持ちますと説明しています。

ベラタセプト適応外の症例では、エベロリムス/シロリムス等のmTORiに切り替えますが、薬価が高いので(月250ドル)結局CNIを再開することもあります。

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