DGFとPNF

DGF (delayed graft function)とは移植後1週間以内に透析が必要になった症例と定義されます。DGFは死体腎移植ではコモンです。DGF発生率は全件数の10-20%程度ですが、アグレッシブな施設だと50%近くに上ります。通常、移植後は尿量や血液検査をモニターし必要に応じて透析を行いますが、ハイリスクドナー(長時間CIT、KDPI高値)の場合、高い確率で術後透析が必要になることが予想されます。これをexpected DGFなどと呼び、予め透析を術後に計画することもあります。症例によっては術後数日無尿が続く場合もあります。腎機能の回復速度は患者によってばらつきがあり、尿量が徐々に増えていく人、ある日突然大量に尿が出始める人など様々です。体重や血液検査に応じ透析治療の間隔を調整します。十分な尿量があるにもかかわらずクリアランスだけが不十分な場合は、出来る限り透析の間隔を延ばしクレアチニンを追跡できるようにします。フェロー時代は人手不足だったこともあり殆ど入院病棟管理だけだったので、無尿のまま術後3日で退院していく患者を見て「一体我々は何をやっているんだ?」と感じたものです。しかし、90%以上の症例は1週間以内に尿が出始め、2-3週間以内には透析離脱が可能になります。透析離脱までの期間が長いほど、アウトカムは悪くなります。

PNF (primary non-function)とは移植後90日の時点で透析離脱が出来ない、もしくはGFRが20未満の症例と定義されます。発生率は2-3%と稀です。殆どがハイリスクドナー症例ですが、中には予想に反して原因不明のPNFになる場合もありますし、術後合併症のため深刻なAKIを発症し、結果としてPNFになるなど様々です。PNFと判断した場合はUNOSに報告する必要があります。レシピエントは待機時間が保持されるので、患者が希望すれば1回目の手術から回復したのち2回目の移植手術を行うことができます。しかし、残念ながら深刻な術後合併症のため再移植適応にならなかったり、移植後感作によりCPRAが高値に上昇したため、数年以上待機する必要がある場合もあります。PNFと診断することは速やかな2回目の移植を保証するものではありません。PNFは是非とも避けたい合併症の一つですが発生率はゼロにはなりません。オファーを受けた腎臓の質が微妙な場合は、このレシピエントがPNFになった場合再移植に耐えうるかどうかまで勘案して応需を決定します。

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