レジデンシーを経ずに内科専門医受験資格を得る方法 -faculty pathway-

通常、アメリカで内科専門医受験資格を得るには内科レジデンシーを修了することが必須です。しかし、一定要件を満たせばレジデンシーを経ずとも受験資格を得ることが可能です。これをFaculty pathwayといいます。

フェロー修了後、単一のアカデミックセンター(大学病院)で少なくとも3年間clinical facultyとして勤務すれば、それが内科レジデンシーの代わりとして認められ、内科専門医受験資格を得ることが出来ます。内科専門医に合格すれば、翌年以降の腎臓内科専門医受験資格が得られます。フェロー修了後日本に帰国予定ならば米国専門医資格は必要ありませんが、引き続き米国でアテンディングとして勤務する場合は、殆どの施設(特に民間病院)が腎臓内科専門医資格(または受験資格を有する)を採用条件にしていますので、内科専門医資格は必須です。私はサウスカロライナ医科大学で腎臓内科フェロー、腎移植内科フェローを修了し、その後同院で腎移植内科facultyとして3年間勤務していますので受験資格を得ることが出来ました。受験よりも前にハワイに就職先を異動する予定ですが、受験資格はかわらず保持されます。

以前のブログ内容にあるように、レジデンシーを経ずにフェローからトレーニングが可能かどうかは科に左右されます。循環器内科、消化器内科などの競争率の激しい科は内科レジデンシーが必須ですが、腎臓内科のように不人気でポジションが埋まらないような科はフェローからでも応募が可能です。IMGには狙い目だと思います。詳しくは各大学病院やNRMP(National resident matching program)のウェブサイトで確認することが重要です。

レジデンシーを経ずにフェロー修了した後、大学病院でfacultyのポジションを得る保証はありません。私の場合は腎移植内科フェロー修了後たまたま空きが出たのでそのまま同施設で勤務することが出来ました。腎臓内科は全国的に人手不足とはいえ、都市部の大学病院でfacultyのポジションを得るのは簡単ではない筈ですので、多くのIMGはフェロー中からポジションを探し始め、医療僻地の大学病院で勤務する印象が強いです。ポジションが得られなかった場合は、あらためて内科レジデンシーに応募する人もいます。

また、各州の医師免許応募要項を確認することも重要です。アメリカは州によって医師免許の応募要項が大きく異なり、申請から発行まで要する時間も違います。レジデンシー修了を必須とする州も多く、たとえ内科専門医を取得したとしてもレジデンシーを終了していなければその州では働けない、という事態も起こり得ます。医師の人手不足解消のため、2024年にテネシー州ではレジデンシーを修了していない外国人医師でも勤務可能という法律が成立しました。しかし、保険会社が認めないという理由から未だ医師採用には至っていないようです。とはいえ、レジデンシーを経なくとも内科専門医受験資格を得る方法があるということは知っていて損はしないと思います。

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