Bardoxolone methyl

ASNのLate-Breaking Clinical Trial SessionでBardoxolone methylの臨床試験結果(フェーズ2)が発表されていました。2型糖尿病によるCKD患者に使われ、eGFRがおよそ 30 ml/minから40 ml/minに半年以内で改善したそうです。Bardoxolone methylはいわゆるanti inflammation modulatorsのひとつで、Nrf2を誘導することが知られています。Nrf2は酸化ストレスを抑制するマスターと言われています。Nrf2 と腎不全に関する動物実験もこの記事のほかにも多く報告されています。
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糖尿病も腎不全も酸化ストレスが関わっているので、抗酸化薬を使用する治験が行われているのは納得ですが、まさかeGFRにこれほどの改善がみられるとは想像もしていませんでした。ちなみに実際のGFRは測定されなかったようです。また、記憶が正しければたんぱく尿は減少していなかったと思います。来年度にはこの薬のフェーズ3治験が行われるようです。個人的には組織学的な変化がみられるのかどうか、腎生検が気になります。いずれにせよ、臨床レベルでめったにブレイクスルーのでない腎臓領域で、こういったニュースはうれしいものです。また、daily dialysisとnocturnal dialysisの臨床試験結果はASNでの発表直後にNEJMに詳細公開されました。

波戸 岳
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