「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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臓器移植の歴史

世界初の腎臓移植はアメリカで1954年に行われたが、そのわずか2年後に日本初の(一時的)腎臓移植が新潟大学で行われている。世界初の心臓移植は南アフリカで1967年に行われ、その翌年に日本初の心臓移植、通称「和田心臓移植」が行われた。
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しかし、この「和田心臓移植」に対しては、密室での脳死移植(脳死判定や患者選定が不透明)に国民の脳死・移植医療への強い不信感が生まれ、このため日本の移植医療は完全に停滞した。そして、当初まで世界と同じスピードで進んでいた日本の移植医療は30年間ストップした。1997年に日本臓器移植ネットワークが発足、臓器移植法が制定されて、脳死下の移植が可能になったが、日本の文化的・社会的背景から死体腎移植数は伸びず、日本の移植件数は世界的に見ても大変少ない状況が続いている。
そして今年、臓器移植法が改正され、家族の承認で臓器提供が可能となった。当初は、移植法改正ではあまり変化がないだろうと言われていた脳死下での移植であるが、マスメディアが報道している通り、それでも少しずつ家族の承認下で脳死からの臓器提供が行われつつある。日本の腎移植件数が少ない原因は、脳死下での移植が極端に少ないことが一因ではあるが、生体腎移植自体、世界的に見てもまだまだ伸びる余地がある。また、日本での腎臓移植は件数が少ないものの、短期・長期予後ともに移植先進国のアメリカを凌駕しており、確立した医療と捉えるのが妥当である。今後、腎臓移植全体に対する啓蒙・教育がさらに必要であろう。

長浜 正彦
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