「日米腎臓内科ネット」活動ブログ

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Potpourri III

新年あけましておめでとうございます。今年最初のブログはあまり脈絡のない話題提供からはじめることにします。

先月高血圧の新ガイドラインJNC8が発表されました。高血圧はとてもコモンな疾患で、特に腎臓病に高血圧はつきものです。それゆえ、腎臓内科医が中心となって高血圧管理に関わることも少なくありません。しかしながら、高血圧という研究分野は多臓器、他領域にまたがり、歴史も長く、情報量が膨大ゆえ、高血圧を研究の中心に置いていない限り、個人レベルでの知識のアップデートは意外と難しいように感じます。ですから、私のような専門外の者にとって、定期的に更新されるJNCのようなガイドラインは助かります(ガイドラインが乱立するのは困りますが)。
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ちなみに、数年前、自分が腎臓内科専門医試験のためのBoard review courseに参加したときにBurton Rose (UpToDateの創設者)が高血圧の話をしていました。最近彼が、同じような内容の血圧のトークをしているのを偶然ウェブでみつけたので、ここで紹介します。臨床スタディのブラッシュアップになります。

この際もう一つ紹介したいのが、Richard Liftonのトークです。 これは今から15年近く前に、彼がHoward Hughes Medical Instituteにて高校生を対象にしたものです。自分はその当時医学生でしたが、彼の話している内容などつゆ一つ知りませんでしたし、たとえ聞いても理解できなかったと思います。今彼の話を聞いてみても、その当時、高血圧に関わる遺伝子に関してそこまで解明されていたのだと驚くばかりです。また、聴衆である高校生が、彼に質問したレベルの高さに驚かされます。

さらに話はそれて、Howard Hughes Medical Instituteの2013年度のグラント受賞者には日本人女性が2人も含まれています。一人はToll like receptor 4を発見したMedzhitovの奥さんだそうですが、いずれにせよHoward Hughesのグラントを獲得するのはただごとではありません。 素晴らしいの一言につきます。

波戸 岳
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