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日米比較:透析患者の採血日と目標Hb

日米で透析患者のガイドラインが微妙に異なるが、例えばHbの目標値はアメリカが11~12g/dLであるのに対して日本はやや低く10~11 g/dLである。誤差範囲と言えばそれまでだが、面白いのは採血日と採血時の体位の違いである。採血日は日本が週の初め(月曜・火曜)であるのに対してアメリカは週の中日(水曜・木曜)である。週の初めというのは、患者さんは丸2日間透析していなく、週の中日に比べて体液貯留している。従って、Hbの値はdilutionのため本来よりも低くなる。

また、採血時の体位であるが、アメリカのガイドラインでは特に記載が無いのに対して、日本では仰臥位での採血を勧めている。理論上、同一人物でも仰臥位の方が座位よりもHbの値が低くなると言われており、それを証明した日本の論文も散見する。これは仰臥位の方が間質液等から細胞外液に体液移動が起こり、同じくdilutionを起こすからだそうだ。ちなみにアメリカではほとんどの透析室が椅子タイプなので、必然的に日本と異なり座位での採血となっている。

つまり、日本の仰臥位による週初めの採血は、アメリカの座位による週中日での採血に比べて、Hb値が低くなるはずである。そう考えると、両国でのHb目標値はかなり近いか、あるいは日本の目標値の方が実質は高いのかもしれない。
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